紫豆腐的記録

音楽・メイクの話を中心に週1回更新

アワー・フェイバリット・ソング

こんばんは。運動不足が祟りつつある紫豆腐です。そろそろプールで泳ぎたい。

 

今日は、BSフジで放送された『アワー・フェイバリット・ソング~私がエイリアンズを愛する理由~』を観ました。番組はオンデマンドで7月4日まで視聴できます。本放送、再放送共に見逃してしまった人間には本当に有難いです、配信は。音楽番組って著作権の関係なのか、あまり配信してくれないイメージがあるので、今回のBSフジは太っ腹だなあ、と思いました。

 

 

番組概要

(斜体部分は番組公式サイトより引用)
2021年、SNSの浸透やコロナ禍における生活様式の大きな変化と共に、音楽の楽しみ方も千差万別の時代を迎えている。
SNSや動画サイトといったインターネットによる情報のシェアが広がりサブスクリプションの普及により視聴環境はCDからストリーミングへ。
また、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で音楽ライブの本数は激減、ミュージシャンをはじめ、多くの音楽に携わる人々が試行錯誤を続けながら、音楽の場を守り続けている。
本番組では、そんな激動の時代の中でも歌い継がれ、愛され続ける「名曲」をテーマにひとつの楽曲を1時間かけて、じっくりと深く掘り下げていく。
さらに、作詞作曲者である堀込泰行による弾き語りセルフカバーも披露。
記念すべき第1回目に特集するのは、キリンジが2000年にリリースした「エイリアンズ」 。
多くのミュージシャンがライブやラジオでカバーし、近年ではCMソングとして若年層にも幅広く知られる「エイリアンズ」は近年より評価を高めつつある、まさに「現代の名曲」。
なぜ「エイリアンズ」が20年も時を経た現在も、多くの人々に愛され、数多くのアーティストに歌い継がれているのか?
ミュージシャン本人やその関係者、そして「エイリアンズ」を愛する著名人へのインタビューを交えながら、名曲の「秘密」を紐解いていく。

www.bsfuji.tv

 

個人的主観

番組を視聴しておいてなんですが、前提として伝えておくと、私は特別エイリアンズに思い入れがある人間ではありません。なぜなら、私が「キリンジってすごいんだな!」と衝撃を受けたきっかけは、風を撃てだったからです。キリンジの曲で、初めて最初から最後まで一曲通して聴いたのは、1stアルバムに入っていたこの曲でした。風を撃ては転調が鮮やかで、今まで聴いたことのない曲だったため、驚きは大きかったです。

 

“燻る闇のトーンahahah”から”風を撃て 左岸の向こうから”

“黒い髪が乱れて その暴れるシャツを なだめる間に”から“パラッパッパ パッパラ パッパラ フェイダーウェー”

この2つの箇所の移り変わりが特に新鮮でした。また、サビのパッパラの収まりがあまりに良かったので、「パッパラでサビが成り立つとはなんて曲だ!」とも思いました。

鮮やかで一筋縄ではいかない展開と言っても、高樹さんの作る曲みたいな、ぐねぐねしたメロディー(牡牛座ラプソディのサビ、雨を見くびるな等)とは少し違う気がします。転調の先に開けた、もっと明るい、謎に爽やかなところがあるのが、初期の泰行さんの曲の特徴だと私は思っています。

 

そうは言っても、歌詞の内容や情景が、ぱっと頭に浮かぶのは風を撃てよりスウィートソウルよりエイリアンズなんだろうな、とは思います。カバーされることがとても多いのはストレートなラブソング(に聞こえる)であるからでしょうか。

 

 

以下、印象に残ったことをつらつらと書いていきます。

 

土岐麻子

まず、土岐麻子さんのインタビューから。彼女は、田村玄一さん(ex.KIRINJI 2013~2020)プロデュースでエイリアンズをカバーしたことがありますね。キリンジと古くから親交があったシンガーとしての目線で、曲について語っていました。

彼女は初めて曲を聴いたとき、「すごい曲が来たな!」という印象を受けたそうです。それもあってか、自身でカバーをしたときを振り返って、「少し躊躇した。でも玄さんのアレンジだから演ってみようと思った」とも言っていました。そうですよね、元がすごいと、なかなかそれを超えられないのではないか、とプレッシャーが生まれるのは想像できます。

それを跳ね返した土岐さん、強いぜ。

 

さて、土岐さんの紹介時、Cymbalsとしてデビューした当時のアーティスト写真が出てきたのですが、ドラムの矢野博康さんが今と全然変わらなくて驚きました。矢野さんは、KIRINJIになってからのアルバムやライブのサポートメンバーだったので、そのときの映像を見てみるとわかるのではないかな、と。高樹さんや冨田さんの変わらなさもなかなかですが、それを超えていましたね。

 

弓木ちゃんがマブシっす!な1分45秒からどうぞ

www.youtube.com

 

しかし土岐さんはおしゃれですね。今回の放送では、黒いタートルにアイボリーのVネック前開きニット、同じ色のノーカラージャケットに白いロングプリーツスカート、シルバーの大ぶりピアス、そして赤いネイルを組み合わせていました。取材時は多分3,4月ごろだったのではないかな、と思うのですが、春にあえての白黒、だけど素材違いの重ね着という点が素敵でした。

本当に些末なことではあるのです。でも、私が高校生のときに好きだったファッション誌、vikkaで見ていたような装いだったので、つい記憶に留めてしまいました。あんな風になりたい。良い年の重ね方をしている方を見ると、常々そう思います。

 

またまた余談ですが、土岐さんは、アジカンのゴッチやくるりの岸田と同い年なんですね(土岐さんの方が学年は一つ上のようですが)。知らなかった。でも3人ともデビューした時期が、大学在学中、新卒のタイミング、はたまた社会人として働いた後、と微妙に違っているので、人生色々だなと思います。

個人的には、一番遅くデビューしたアジカンが、デビュー後一度もメンバーチェンジせず、今年結成25周年を迎えた、ということがとても嬉しいです。正式なメンバーが2人になったくるりも、この間良いアルバムをリリースしました。そして、土岐さんが今年のカバーアルバムで、ソラニンとJubileeの2曲を歌っているということを考えると、少し不思議な感じがします。偶然なんだろうか。

 

 

 長嶋有宮崎哲弥

長嶋さん、宮崎さんのお二方は音楽が仕事の人ではないため、コメントを聞いていて非常に身近といいますか、いちリスナーとしての目線が鋭く「まさにそれ!自分もそう思ったことがある!言語化ありがとうございます!」とつい共感してしまったり、「この曲をその視点で語ることもできるのか!」と意外性のあるコメントでもあったりで、面白かったです。

関ジャムで行われた平成の名曲ランキングの件とか、団地の話、なんで歌に出てくる彼らが月の裏を夢見たのかの仮説とか。

これらの話から、キリンジを長年愛聴してきた、またサブカル研究の一環として考え続けてきた人たちは、私のような新参にはまだ見えていないものを見ているような気がしました。

とても叶わないと思いつつ、少し羨ましいです。リアルタイムで、二十年近く活動を追っていくことができるって、すごく幸せなことだと思うからです。キリンジからKIRINJI、KIRINJIから実質高樹さんのみの活動に移り変わっていく、及び泰行さんが馬の骨ではないソロ活動を始める、といった変化があったとしても、両者共にコンスタントに新しい作品を出し続けているからこそ、我々は活動を追えるのです。曲を書く人がいなくなってしまったら、それは不可能になる訳で。

コンスタントなリリースをするミュージシャン(特にベテラン)の存在は、後追いの人間にとっても有難いものだと、つくづく思います。

 

 

 堀込泰行

泰行さんのインタビューについては、既出の内容(制作が超ハードだった、追い込まれて歌詞を書いた等)が中心なのかな、と想像していましたが、この曲がシングルにならなかったかも騒動のような、初耳の内容もありました。シングルのカップリングが、イカロスの末裔のリミックスと銀砂子のピンボールという陽気な2曲だったため、比較すると確かにエイリアンズはおとなしいです。

でも、聴けば聴くほど良さがわかるタイプのこの曲を、シングルの1曲目にしたスタッフの皆さん、グッジョブですな。

今回の番組内での演奏場面は、どこかの工場の近く(?)の建物の屋上で撮ったようです。夜風が吹いていて、良い雰囲気でした。

尚ご本人はインスタで、収録について「高所で歌うのは怖かった」と述べていました。

 

 

 秦基博

秦さんは、以前別媒体で「”3”がとても好き」と述べていました。この番組でも、本当にそれが伝わってくるインタビューで、楽しそうに語るなあ、という印象を受けました。

彼は高校生のときにエイリアンズを聴き、楽譜を買ってきて(!)弾いていたそうです。確かに耳コピは難しいだろうな、和音4つがデフォルトだと。

(ちなみに、今はu-fretという便利なサイトがあるので、コードが読めない、ギターが弾けない人でも、五線譜に変換されたコードを見ながら、ピアノで弾くことができます。エイリアンズは黒鍵が多く、煙った響きなので私も耳コピできませんでした。ただ、右手と左手を合わせるのは意外と簡単なので、弾けると楽しい曲です)

 

 

 冨田恵一

冨田さんからも裏話がありましたね。キリンジのレコーディングの直後に、アメリカで行われたMISIAのレコーディングに立ち会ったと言っていたので、文字通り多忙を極めていたんだなあ、頭の切り替えはどうやっていたのだろう、と思ってしまいました。超忙しいのに、全て100%の結果を求められるというのは、私ならパンク必至です。

あと、この曲のドラム(冒頭のシンバルは特に)は、とても打ち込みとは思えないくらいリアルな音なのですが、やはり納得がいくまで沢山調整したのでしょう。CDのクレジットを見ればドラムが居ないことは明らかではあるものの、言われなければ気づきません。冨田さん、泰行さんのセンスと、ソフトの性能の相乗効果ですね。

 

 

視聴を終えて

時系列バラバラで感想を述べてしまいましたが、気になった方は是非見逃し配信で観てください。この番組は、エイリアンズという曲に対して愛のある取材をしていた印象でした。

私は全部観終わった後、ついCDを聴き込んでしまいました。シンプルイズベストを地で行く曲だと思っていたら、とんでもなかったですね。細かいところまで聴こうと思えば、きりがないと気付きました。

私は音楽素人であるため、理解力が足りていません。それが大変もどかしいです。

 

 

今回は感想だけで4000字を超えてしまいました。それでも最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。